普段あまり気にされることの少ない「お墓」ですが、近年、首都圏で「お墓」を取り巻く環境が大きく変わり、「永代供養墓」という新しいカタチのお墓が求められているのをご存知でしょうか?

将来的に、首都圏では「永代供養墓」というカタチでないと、お墓を新規に持つことができないとさえ言われています。

永代供養墓の詳しい説明は他に任せるとして、永代供養墓の特長から、なぜ、首都圏で永代供養墓が求められているか紐解いていきましょう。

まず、永代供養墓の特長をあげますと、大きく以下の3点になります。

  • 低価格
  • 管理不要
  • 小スペース(墓石不要)

具体的にそれぞれ見ていきましょう。

■永代供養墓の特長1:低価格

永代供養墓は一般のお墓に比べて、平均10~20万円と、約1/10程度の予算で購入可能です。墓石代がかからないのが大きな理由です。
では、低価格のお墓が求められている理由を見ていきましょう。

・孤独死の増加

現在、高齢化・核家族化・隣接関係の希薄化により孤独死が増加しています。孤独死の場合、多くに金銭的余裕が無ありません。

以下、孤独死の数と、都市部における不安感をデータを元に少しご紹介します。

・年間の孤独死者数は約1万5000人

孤独死とは正式な定義付けがされていないようですが、だいたい死後2~8以上経過してから発見されるケースを指すようです。間を取って4以上と仮定すると、その数は1万5603人(男性は1万622人、女性は4981人)となるようです。さらに、発見されるタイミングを「死後2日以上」とした場合、その数は2万6821人(男性は1万6616人、女性は1万204人)に達し、発見されるタイミングを「死後8日以上」と設定した場合は、8604人(男性6311人、女性2293人)になるようです。

図2

参考)2010年度ニッセイ基礎研究所データ

・「孤独死は身近」と感じる高齢者4割超

内閣府が発表した「高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査」によりますと、「孤独死」について、60歳以上の高齢者の43%が「身近な問題」と感じているようです。約半数が不安に思っているのです。世帯類型別では、独り暮らしの場合は65%、夫婦2人暮らしの場合でも44%が身近だと思っているようです。また、東京23区と政令指定都市に住む人の場合で47%と全国平均を超えていることから、大都市に住んでいる人ほど孤独死を心配する傾向が強いようで、都市部における隣接関係の希薄化が窺えます。

図1

・経済的な不安

貧困、格差社会により葬儀・埋葬費用を捻出できないケースが増えております。さらに、長引く不景気より、死後への出費を抑える傾向にあります。

・墓地慣習の薄れ

経済的に問題がなくても、若者を中心に墓地慣習への薄れが進んでおり、あえて高額である墓石を購入しない傾向にあります。

■永代供養墓の特長2:管理不要

永代供養墓は後継者がいなくても、お寺が永代に渡り管理・供養してくれるお墓です。
では、管理不要のお墓が求められている理由を見ていきましょう。

・後継者の不在

核家族化による後継者不足から管理の必要が無い、納骨堂・永代供養墓地の需要が伸びています。孤独死の場合は、お墓を管理する後継者自体がいません。

 

■永代供養墓の特長3:小スペース

永代供養墓の特長として、一般的なお墓に比べて圧倒的にスペースを取りません。理由は、墓石が必要ないことと、多くの場合、複数の遺骨を一つの共同スペースに埋葬するためです。
では、小スペースのお墓が求められている理由を見ていきましょう。

簡単に考えますと、当然、お墓を作るにはスペースが必要で、死亡者は累計ではどんどん増えていきますので、墓石のある大きなお墓をどんどん立てていると、いつかは日本が墓石でいっぱいになるのがイメージできませんか?

まあ、いつかはそうなる話で、緊急性が低いように感じるかと思いますが、首都圏では、もうそれが現実になってきているのです。

まず、今後、全国で必要となるお墓の数はご存知ですか?
なんと、2020年には全国で年間で30~40万区画の墓地が必要になるという数字が出ています。

人口の分布からも、首都圏へ人口が一極集中していることはご存知かと思います。
お墓の需要も一極集中するので、人口分布から単純計算すると約10~12万区画の墓地が必要になります。

一極集中に加え、親から分家した世帯数の増加率や,年間死亡者数の増加率などから、どんどんお墓の需要が増えています。
さらに、地方にあるお墓を首都圏に引っ越す「改葬」の需要も伸びています。

全体としては首都圏で新規にお墓が必要な世帯は3割と、地方の2割を大きく上回り、その数はもはや予測不能です。

つまり、首都圏において、今後のお墓の需要を考えますと、いままでの「お墓(一般的な墓石が必要なもの)」という形態での埋葬場所の確保が、近い将来、物理的に困難になるため、スペースをとらない永代供養墓が必要とされているのです。

首都圏と同じように、人口が一極集中する韓国のソウルでは、1998年に一部のエリアを除いて、土葬を禁止し、火葬を義務付け、さらに2003年には市が運営する墓地にて散骨も認め、それを推奨しています。将来的には完全に自然葬(散骨・樹木葬)に以降するようで、土葬→火葬→散骨と行政主導で人為的に埋葬文化を変え、埋葬場所を確保しています
さらに、無縁墓の調査を3年に一度行い、一定期間告知した上で無縁墓を処理しているようです。

首都圏でも墓石→納骨堂→永代供養墓の流れは必至と思われ、ますます永代供養墓が必要とされていくことが容易に想像できます。

 

以上、永代供養墓が求められている理由です。

 

まとめますと、永代供養墓というカタチのお墓がないと、今後、首都圏(特に都心部)でお墓をもつことが困難になってしまうのです。

ですが、安心してください。実は、首都圏には永代供養墓が多数眠っているのです。
答えは「お寺」です。
日本ではコンビニの数より多くのお寺があります。
その全てが埋葬可能な土地である永代供養墓を持っているのです。
多くは檀家ように設けられたものですが、近年、檀家でなくても永代供養墓を提供しているお寺が増えています。

永代供養墓を提供するお寺がどんどん増えることが解決の糸口になりそうです。