塔婆について見ていきましょう。

塔婆の由来

「塔婆」は「とば」「とうば」と読みます。
「塔婆」というと、一般的に「板塔婆」を指します。
「御卒塔婆」「卒塔婆」「板塔婆」「塔婆」はすべて同じ意味です。

「板塔婆」は、お墓にいくとよく見かける、墓石の後ろに建てかけてある長い木製の板で、追善供養のために使われます。実際の長さは1~2mほど平均1.8mほどです。

「塔婆」は「卒塔婆」の略語で、梵語の「ストゥーパ」からきています。
逆から説明しますと、
「ストゥーパ」を音訳したのが「卒塔婆(そとば)」でそれを略したのが「塔婆(とうば)」です。さらに略すと「塔(とう)」になり、五重塔とかで使われています。

約2500年前、お釈迦様の入滅後に、その遺骨を八分して塔を建てて供養したことに由来します。
形は五輪塔に似せて作られています。五輪塔が石製から木製へ、そして薄い板の板塔婆へと変化したのです。木の板の、上部が円錐、半円、三角、円など五つの形になっています。

卒塔婆の仕様

表書きは宗派によって変わりますが、
五輪塔の五大を表す「空・風・火・水・地」の梵字(古代インド語)が書かれていることが多いです。
これは、宇宙を構成する五つの要素です。

その下には、もう一字、梵字を書きます。
塔婆を建てる供養日に縁のある仏様の種子です。通常は十三仏のどれかになることが多いようです。

さらにその下に、戒名、供養の回忌、建てた人の名前が書かれることが多いようです。
年回忌以外の時は、回忌のところが盂蘭盆、彼岸などになります。

宗派によって卒塔婆の裏に「バン」という梵字が書かれていることが多く、これは大日如来を表し、塔婆に書かれた戒名の人が、大日如来の大いなるいのちの世界で、故人が母親のふところに安らぐように、ご本尊さまに見守られていることを意味しています。

墨で書かれることが多いですが、最近ではプリントされているものも増えてきています

宗派による表書きの違いを見てみましょう。

卒塔婆の表

  • 真言宗、天台宗→梵字で「空・風・火・水・地(発音:キャ、カ、ラ、バ、ア)」
  • 浄土宗→南無阿弥陀仏
  • 浄土真宗→なし
  • 曹洞宗、臨済宗→南無釈迦牟尼仏
  • 日蓮宗→南無妙法蓮華経
    ※日蓮聖人にも、お会式(10月12日)などの際に、報恩感謝の塔婆を建てます。
  • 法華宗→南無妙法蓮華経

卒塔婆の裏

塔婆を建てる供養日に縁のある仏様の種子の一覧です。
※宗派によります。

  • 初七日:不動明王
  • 二七日(ふたなのか):釈迦如来
  • 三七日(みなのか):文殊菩薩
  • 四七日(ししちにち):普賢菩薩
  • 五七日(ごしちにち三十五日):地蔵菩薩
  • 六七日(ろくしちにち):弥勒菩薩
  • 七七日(しちしちにち四十九日):薬師如来
  • 百ケ日:観世音菩薩
  • 一周忌:勢至菩薩
  • 三回忌:阿弥陀如来
  • 七回忌:阿閃如来
  • 十三回忌:大日如来
  • 三十三回忌:虚空蔵菩薩

宗派によって書き方はまちまちですが、
その意義や功徳については変わらないかと思われます。

塔婆供養

仏教宗派や地方によって違いがありますが、
各法要に合わせて、お墓の周りに塔婆を建てて追善供養します。
多くの場合、納骨時が初めての塔婆供養になります。

※地方によっては49日までの法要毎に塔婆供養する場合があります。計七本の塔婆を建てることになりますので、七本塔婆といいます。

  • 埋葬、納骨時
  • 施餓鬼会(せがきえ)、盂蘭盆
  • 年忌法要
  • 彼岸
  • 49日までの中陰法要

故人の冥福を祈る意味で建てるもので、 塔婆を建てることが「最も善」と言われ、仏像を一体つくるのと同じくらいの「善」があるとも言われています。
と同時に、塔婆供養は、自身の善い行いとなり、自分の信仰心を深めていくことにも繋がります。

塔婆供養のお願いの仕方

塔婆供養をされる場合は、お墓のあるお寺に連絡をします。
お寺の準備もありますので(塔婆の用意に4日程度必要です)、1週間前に事前連絡されるとよいでしょう。

連絡の際は、

  • 卒塔婆供養したい人数と氏名前
  • 建てる人の名前

を伝え、卒塔婆名簿を作成します。
特に、建てる人の名前は間違わないようFAX,郵送等、紙でお渡しするとよいでしょう。

一度の法要で建てる塔婆の数は、通常は、故人一人に一本ですが、地方によっては参列する親戚が一家毎に卒塔婆をあげる場合もあります。これは、付塔婆(つけとうば)と呼ばれます。また、友人など、施主以外の方でも塔婆を建てられます。

塔婆供養の費用

多くの場合、塔婆供養は追加料金となります。
これは塔婆を用意する必要があることからも納得できます。

塔婆料の相場は3~5千円程度です。

お寺によって決まっていますので、「卒塔婆代はいくらですか?」と事前にお寺に確認されるとよいでしょう。

施主と親戚で料金が違う場合もありますので、複数人で建てられる場合は必ず確認しましょう。

事前に確認した金額を、法要の前に、お布施とは別にご住職に渡します。

施主でない方は、ご住職ではなく、当日早めに施主に塔婆料を渡し、施主がまとめてご住職に渡します。

施主は、まとめた塔婆料を、一つの一つの包みにまとめるか、自分の包みに添えるようにして渡すようにしましょう。
※封筒の中には名前と金額を書いたメモをいれましょう。

板塔婆の封筒の表書きは特に決まりはありませんが、「卒塔婆料・御卒塔婆料・御塔婆料」などとなります。封筒は市販の奉書白封筒で大丈夫です。

塔婆の豆知識

板塔婆を使わない場合もあります。

お寺や地方によっては、板塔婆ではなく小さいサイズの水塔婆・経木塔婆や、三十三回忌にかぎって、生木塔婆(うれつきとうば)といって、杉・松・柳などの生木に枝がついたものを用いる場合もあります。

浄土宗の塔婆供養

浄土真宗では追善供養という考えがありません。人は煩悩が多く自力での成仏はできず、亡くなった後すぐに浄土へ往生する「他力本願・他力念仏」という考え方です。そのため、故人の往生を念じる塔婆供養(追善供養)を行いません。よって、塔婆もありません。

永代供養墓の場合の塔婆供養

永代供養墓に納骨する際でも、塔婆供養を行うことができます。別途費用になることが多いのでお寺に事前に聞いておくと良いでしょう。
永代供養墓の横や後ろに、塔婆を建てる柵のようなものがあり、そこに建てるイメージになります。